高知のごちそうを食卓へ|KAMIYA by とささとプロジェクト

三重県熊野市有馬町。太平洋を望む自然豊かなこの地に、ふたつの神社が受け継がれています。
一社はイザナミノミコトから産まれたとされる 産田(うぶた)神社。
もう一社は、そのイザナミノミコトの眠る御陵・花窟( はなのいわや)神社です。
この二社の神社のまつりごとで、神々に捧げる特別なお米として作られたのが《ふさなり》です。

日本人は稲作を基盤とする生活の上に栄え、米とは深い関わりの中で脈々と歴史を紡いできました。
森羅万象に神霊が宿るというアニミズムの考え方では、米に宿る神霊に《稲魂(いなたま)》と名付けるほどでした。
神への供物・神饌(しんせん)として、穀物のなかでもとりわけ米を重視してきた理由はここにあります。

神饌米《ふさなり》は、香稲米として尊ばれ、はるか奈良時代から長く継承されてきました。
しかし現代に入り、昭和40年代頃に起きた農業従事者を取り巻く環境の変化を受けて、生産が一旦途絶えてしまったのです。

もはや神様に《ふさなり》を供えることはできないと諦められていたのですが、なんと学術用に保管されていたわずかな種が近年見つかり、時を超え海と山を超え、高知県で復活を果たしました。

炊き上げた瞬間の湯気とともに立ちのぼる芳しい香りに、誰しもことほぎを覚えずにはいられないでしょう。
あなたの大切な人の大切な節目には、日本の神々も喜ぶとくべつなお米《ふさなり》がふさわしいかも知れません。