高知のごちそうを食卓へ|KAMIYA by とささとプロジェクト



土佐清水にあるウェルカムジョン万カンパニーの代表者は田中慎太郎さん。
新谷商店の四代目新谷重人さん、後にご紹介する土佐清水元気プロジェクトの山岡大樹さんと中学校の同級生である。
3人の仲の良さは話をしているだけで伝わってくる。


(写真左 田中慎太郎氏、中 山岡大樹氏 右 新谷重人氏)
伝統を守りながら新しい商品を開発していくその影にはお互いの存在があるのであろう。
実際のところ、最初から確固たる想いがあり始めたことではなかったと慎太郎社長は言う。
宗田節について勉強し始めて、漁師さんや新谷商店のような節工場の方と深く関係していくうちに
「今後も継続して土佐清水で宗田節を作り続けていかなくてはいけない」と強く感じたそうだ。

「宗田節加工があること」それが土佐清水における雇用や経済効果に大きな影響を与えていることは間違いない。
だからこそ、私たちは漁師さんのもっている誇りや節工場のこだわりをきちんと紹介していく事が使命だと思っているのだという。
現在ウェルカムジョン万カンパニーのスタッフは9名。
そのほとんどが子育て真っ最中の主婦である。
「お客様に驚きと感動を!」と理念を掲げ、日々邁進している。
スタッフの家族を含め、皆が笑顔で幸せに土佐清水で暮らせることを目指して。
ウェルカムジョン万カンパニーのイチオシ商品は何といっても「だしが良くでる宗田節」である。


商品はというと、「容器に宗田節を入れるだけである。」
しかし、地元ではあたりまえのこと過ぎて、これを商品化するという発想ははじめはなかったという。
宗田節を入れるだけとはいえ、宗田節の質、醤油と宗田節の割合によって味は変わってくる。
幾度も試作を繰り返し納得のいく香りや味を引き出せるところに到達し、「だしが良くでる宗田節」が完成した。
自宅で常用している醤油を、商品の瓶へ注ぎ、冷蔵庫で2週間ほど寝かせると特製の自家製だし醤油が出来上がる。
醤油は継ぎ足しながら使っても1年間だしが出続ける。
様々な料理に合い、いつもの醤油の代わりに使うとひと味違ったうまみが出てくる。
そして、そのまま捨ててしまっている方もいらっしゃるかもしれないが、実は瓶の中の醤油味の付いた宗田節は、最後には煮物や、身をほぐしてお茶漬けにして食べることができ、余すことなく食することができるのだ。

土佐清水でもマルソウダガツオの漁獲量は減少しているが土佐清水産にこだわり、他県のものは使用していない。
地元を、愛する思い、商品への妥協を許さない精神を強く感じた。
そしてウェルカムジョン万カンパニーの夢は、大きい。
ジョン万次郎が生活したアメリカ・マサチューセッツ州・フェアヘブンでの宗田節の販売。
さらにはジョン万が立ち寄ったハワイ・沖縄・カリフォルニアなどで土佐清水の宗田節をジョン万ロードに乗せて販売する事。
地元土佐清水とフェアヘブンの国際交流に貢献する事である。
ジョン万スピリットで羽ばたいてほしい。