土佐 高知には本物の食がある



高知では300年以上の歴史を持つ朝市がある。

それが「日曜市」である。

市民のみならず県外からも多くの観光客が足を運び、

毎週日曜日に約1万人の人が訪れるというから驚きだ。

この週に一度現れる出店を「本店」と胸を張って言う御主人、

それが吉平商店の吉本さんだ。




ここを本店というのには訳がある。

「商売とはお客様と顔を合わせてするものだから。」

高知市民の大人達は口を揃えて「子供の頃から親しんだ味」という。

これがまさしく吉本さんの目指すところなのだ。

吉平商店の「あわせしょうが」は昔ながらの製法で作られている。

工場をライン化することも手間を省くこともできるかもしれない、

しかし、基本の味をどうしても残したい。

そのためには変わってはならないものもある。

だから、生姜と上白糖のみを使用した無水製法で作られている。

生姜と上白糖は同割配分。

これはものが腐らない黄金比であると吉本さんは言う。

生姜は「土佐一」という品種を使用する。





全てのバランスを考えてこの生姜を利用しているそうだ。

バランスとは味は勿論のことだが商品価格を想定した時の

原料費のバランスも含んでいる。

日曜市で買って頂くものだから、

お客様が手に取りやすい価格でないと意味がない。

だから、高級な原材料というより一般的なものを利用する。

しかし、そのあとの工程は気が遠くなるような作業だ。

一窯分55キロの生姜の搾り汁を取るのに約65キロの生姜を、

丁寧に洗い、表面の水分を乾燥させ、1個1個手作業で、

選別して行く。

ここを機械任せにすると必要な皮まで傷つけてしまうからだ。

そして、ここで眼に叶わなかった生姜は全て外される。

弱い生姜は雑味が多く味がまとまらなくなってしまうそうだ。

ようするに、目利きであり、匠なのだ。

あえて「手間」をかけるのは子育てと同じような感覚だと思った。

吉本さんにとってはひとつひとつを丁寧に作り、里子に出すような

心境なのではないか。そう思えるほど強く熱い思いで作っている。

それがこの綺麗な琥珀色の生姜蜜なのだ。





ところで、生姜というと「寒い冬を乗り切ろう」といったような

女性誌の特集で扱われるなど冬の食べ物という印象が強い。

しかし、吉本さんはいう。

特に女性の方は夏にこそ生姜を取って頂きたい。

夏は冷房等でカラダが冷えやすい。

内蔵の冷えを抱えている人も意外と多い。

冬はもちろんだが、夏の冷え対策にも体内から温める生姜を食そう。